調布さんぽ 第一回 野川

sanpo_170413

調布散歩 第一回
野川

見たい景色、に出会う川「野川」

「野」の「川」で、野川。そのままの名前。けれども、その名前からは色が伝わってくるような爽やかさがある。私の子供には「草介(そうすけ)」という名前をつけたいなと考えていた。緑の風が吹くような感覚がするからだったのだけれど、結局不採用となってしまった。そんなこともあり、「野川」という名前を、子供につけようと思っていた「草介」と同じように、緑の風が吹くような感じがしてとても気に入っている。

さて、その野川は、水を運ぶ川というよりも、みんなの散歩道としての川として愛されている。調布市内を流れるときの野川の川幅は、ところによっては子供がぽーんとジャンプすれば渡れるくらいだったり、靴を脱いで川に入っても、ひざ下までの深さくらいしかない。

そんな野川だから、ここでは子供が川の中で水遊びをする光景も見かけられる。

この写真では画面上で小さくてわかりずらいけれども、おじいさんと子供がいる。グアーグアーと鳴くカモを見つけて、子供が鳴き声を真似てガーガーと言うのを、おじいさんが微笑んで見守っている。

春には菜の花が咲き、川沿いには桜が植えられて毎年見事に咲いている。夏になるころには人の背丈を超えるぐらいに草がぼーぼーと生えていて、定期的に刈られると、その日は草の香りがすがすがしい。

ああ、そうそう忘れていはいけないのは、そこで暮らす鳥達のこと。カモ、カモ、子ガモ、、、確かにカモはよく見かけるけれどもカモだけでなく、セキレイ、白鷺、冬にはユリカモメなどの渡り鳥もやってくる。夜の野川にはじーーーと川の中にたって何かを待っている真っ黒な川鵜も見かける。

夏の野川沿いは、川の水のおかげなのか、風が通るためなのか周りよりも少しだけ川沿いの気温は低いように感じる。昼間の強烈な暑さから開放され、静かになった夜の時間に、どこかの家から猫がのらりのらりと出てきては道ばたで涼んでいる。お前もか、なんて思いながら夏の夜を野川のそばでしばし過ごす。

今年の野川沿いのソメイヨシノは既に満開になり、少しずつ散り始めている。今週末が花いっぱいの桜を眺めながら野川を散歩できるときだと思うと、仕事をしながらそわそわとしてしまう。

2017.4.14
写真・文 赤石雅紀

2017-04-14 | Posted in 調布さんぽNo Comments » 

関連記事